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ロケットの中の殺し屋

Posted by 松長良樹 on 07.2016 0 comments 0 trackback
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 漆黒の闇の中を音もなく航行する一隻の宇宙船があった。クルーの総員はわずか13名、キャプテンのナカノは優秀なクルー達に感謝し、愛着を憶えていたがそれを口には出さなかった。彼は任務に規律を重んじる誠実な人間に違いなかった。
 そんな折、地球の基地局から通信が送られてきた。それは極秘で暗号化され通信士さえその内容を知ることはできない。ナカノはそれを自分の個室に入って読んだ。そして眉間に皺をよせて低く叫んだ。誰にも聞こえないように。

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目を開けると…。

Posted by 松長良樹 on 08.2016 0 comments 0 trackback
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 ――ある博士がいた。物理が専門で、いたって善人で、この上なく優秀だが平和主義の博士である。

 その博士が世を憂いた。その理由は世界が平和ではないからだ。世界中で内乱が頻発し、テロが起こり、争いが憎しみを生み、その憎しみがいくつもの悲劇を生み落として行く。

前向きな人

Posted by 松長良樹 on 29.2016 0 comments 0 trackback
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 マイナスの感情は人の心に重大な影響を与える――。
 高名な博士がそう訴えた。ネガティブな情緒はストレスを増幅して心身ともに蝕む。

 つまり人は過去の失敗や、脅迫に近い教訓や、悲痛な体験よって縛られ先に進めない。恐怖が足に絡みついて前に進めない。
 ――負のスパイラル。これでは進歩的ではない。

 ポジティブ思考をする事。そしてそれを習慣づける事。それでこそ明るい未来が開かれ、云々――。
 高名な博士は、その手段として過去の忌まわしい記憶を消すことを提唱した。そしてカリキュラムを作成し、記憶消去法によって、その教えに賛同した人々のマイナス記憶を消していった。
 
 楽観主義を身に着けた男はいつも笑顔でいられた。
 
 そしてその男は赤信号を無視して最初に車に轢かれた。

                                 END
 

蕎麦かもしれない

Posted by 松長良樹 on 06.2016 0 comments 0 trackback
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 宇宙人が言った。
「これはいったいなんだ?」

 ここは地球から遠く離れた惑星。
 遠方に変わった形の山々がそびえ立ち、奇妙な建造物が都市を形づくっている。その中央の広場に複数の宇宙人が集まっている。その容姿については詳しく書かない事とする。なぜって読者が気分を害するといけないから。
 ともかく、そこに提出されたものは地球から持ってこられたものだ。彼らの探査船は何回も地球に送り込まれ、地球研究の足掛かりとして様々なものを収集してきている。
 しかし今回彼らの研究員でもある宇宙船クルーが持参したものは、彼らには見当もつかないものだった。細長くくねくねとしたものだ。
「で、これは?」
 司令官のように規律正しい彼らの一人が、それを持ち帰った宇宙船クルーにそう訊いた。

ダンスのような奥義

Posted by 松長良樹 on 27.2016 0 comments 0 trackback
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 合気道、糖田剛二というのは俺が心の底から崇拝する武術家であり、憧れであり、目標である。彼の数々の武勇伝を述べればその枚挙にいとまがない。
 全身凶器と呼ばれ、向こうところ敵なしの空手家、厳座流、稲生鉄扇が命を懸けた勝負を挑んだとき、糖田剛二は鉄扇の正拳突きや蹴りのことごとくをかわし、鋼鉄と化した人差し指一本を鉄扇の眉間に放って、意識を喪失させた。が、糖田剛二は相手を少しも恨まず、意識を回復した鉄扇に共に修行をしようと申し出て、鉄扇は男泣きでその場を去ったという。
 なんという大きな男であろう、俺はその度量にまず惚れる。同時にその神業に感服する。いったいどうやって糖田剛二はその神技の数々を習得したのだろう? 

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