聖獣の系譜 45 最終回

Posted by 松長良樹 on 09.2012 0 comments 1 trackback
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 木村の目はもはや尋常ではなかった。血走り、猛り狂う怪物の目こそが今の木村の目だった。望月はその嘲笑をききながらずるずると後退していった。そこは海岸の公園のような場所であった。その横にこんもりとした茂みがあった。灌木の暗い茂みだ。そこに望月は這いながら逃げるようにしてその中に隠れた。

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聖獣の系譜 44

Posted by 松長良樹 on 08.2012 0 comments 1 trackback
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 望月が目を開けるとなんと怪人は黒い服の裾を風になびかせながら、大きな岩のような石碑に軽々と乗っていたのだ。なんというバランス感覚であろうか、彼は片足で石碑に乗り、例によって人を喰ったように笑っているのだ。
「今日はおまえの命日だ!」

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聖獣の系譜 43

Posted by 松長良樹 on 07.2012 0 comments 1 trackback
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「学生はなぜ彼らに殺されなければならなかったのですか?」
「あの二人は府中の地下室で犯罪組織のメンバーの顔を見ているんだ。だから」
「なるほど、で、あなたはその怪人を見たことがありますか?」
「いいえ」
「……あなたはこの事件の背後には、犯罪組織があると証言している」
「ええ、そうです」
「そこのところをぜひ、おうかがいしたいところです。それに不思議な事がもう一つある。あなたは絵里加さんを救急病院に運んだ時、肩口を負傷していた。肩から血が流れていたんだ。あなたを見た外科の医師が証言しています。なぜその時傷の手当をしなかったのですか? それに、それに今こうお見受けしたところではあなたの肩の辺になんて傷なんてあるようにみえない。そぶりさえないじゃありませんか、もう完治しているのですか? もし完治しているならあなたは常人ではない。超人ですよ」
 刑事小布施の口調はあくまでソフトであったが、その裏側の鋭い洞察力と探究心を望月は直感していた。どうやらこの男は警視庁でも名うての刑事かもしれない、なぜか望月はそう思った。
 しかし望月はダークムーンの名を明るみに出さなかった。これ以上関わりたくないと言う気持ちがそうさせたのだ。望月は窓から東京の夜景を眺めながらかたく唇をかんだ。

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聖獣の系譜 42

Posted by 松長良樹 on 06.2012 0 comments 1 trackback
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 そんなことを思っていると、不意にドアにノックの音がした。こんな時間にだれであろう、ドア越しに様子をうかがい、小さな覗き窓から外を見ると一人の男がそこに佇んでいた。グレーのスーツ姿であった。
「どなたですか?」
 そう問うと男は警察の者だと言う。仕方なくドアを開ければ男は意外な程の低姿勢でこう言った。
「失礼します。私は警視庁から来ました。小布施直太朗といいます」

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聖獣の系譜 41

Posted by 松長良樹 on 05.2012 0 comments 0 trackback
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 苦しい心情を抱えた望月であったが世間では英雄視されつつあった。いっきに国中にその名と活躍が知れ渡ったのだ。もちろんそれは彼の好むと好まざるとによらなかった。それにその日を境にして仕事の依頼、問い合わせが相次ぎ、彼は一人でその対応に追われ、とても忙しくなってしまった。依頼内容のトップは人探しや事件の依頼、身辺調査、その他種々雑多で、ボディガードや会計事務の仕事さえその中に含まれていた。出来そうもない仕事は最初から断ったが、こんなに仕事があるのなら面接して人を採りたいところだが、今の望月には人の採用が躊躇された。だからその仕事をそっくり外注したりして場をしのいだ。

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