感傷的宇宙航海日誌 Ⅲ

Posted by 松長良樹 on 15.2016 0 comments 0 trackback
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 20XX年 08.30 T.P記述

 我々は宇宙を自由自在に航行するテクノロジーを得てから宇宙には限りなく生命が存在し、輝いているのを知った。今まで他の知的生命体に出会わなかったのが嘘のように思える。
 宇宙の暗黒時代は過去のものになったのだ。そして我々は銀河のかなたに究極の星を発見した。

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Category : SF小説

感傷的宇宙航海日誌 Ⅱ

Posted by 松長良樹 on 11.2016 0 comments 0 trackback
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「宇宙の旅を長く続けていると、頭が変になりそうな瞬間が何度も押し寄せてくる」
 このコメントはある宇宙飛行士が過去を振り返って残したものだが、真実の宇宙飛行というものが決して楽しいものでないことを如述に表している。宇宙の暗黒は人間に途方もない何者かの存在を予感させ、いくつもの『なぜ?』を連鎖的に突き付けてくる。

Category : SF小説

塀の向こう

Posted by 松長良樹 on 05.2014 0 comments 0 trackback
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 南海(ミナミ)と言う中三の女の子はとても好奇心旺盛で、たとえば研究課題などには真剣に取り組むから、それなりに理科の成績などはかなり良い方だった。
 でもそれが仇となる時だってある。これから書く物語はミナミの探求心がどんな風に作用して、どんな風な結末を迎えたかと言う、単純だがとても妙な話である。
 黄金町というのがミナミの生まれ育った町なのだが、彼女は生まれてからこの町を一歩も出たことがない。なぜなら町の周囲を丈高い城壁の様な塀がぐるりと取り囲んでいて、出たくても出られないのだ。最近の漫画で塀の向こうに恐ろしい巨人がいるという設定のお話があったが、それに近いと言えば、かなり近い。ただその壁の向こうには巨人はいないらしいのが救いだろう。
 むろん誰だって、なんで町の周りに壁があって外に出られないのか疑問に思わないわけがないのだが、それを誰もが口に出さない。それは一種のタブーみたいにされてきた。町の人達は昔からそのことを口に出しても、考えてもいけないと言われてきた。そういうことをすれば町に不幸が訪れるという。

Category : SF小説

夢の導線

Posted by 松長良樹 on 24.2013 0 comments 0 trackback
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『夢売ります』と言うのは、なにも安っぽくコマーシャルナイズされたキャッチコピーばかりを言うのではない。それが現実となった世界では、夢の売り買いが、きな臭い危険な気配を発散する。
 重く空気の淀んだ昼なお暗い倉庫街の狭間に、俺は蒼白い顔色のまま懐に銃を忍ばせ、赤いタクシーから降りたった。ここはキールシティ第三区。21世紀から置き去りになった街。
 俺はこのスラムの一郭にご法度の夢の売人が暗躍するのを探り当て、ここにやってきた。情報屋に飴をなめさせたのが効いたって訳だ。

Category : SF小説
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