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愛しき君を食す 3

Posted by 松長良樹 on 31.2011 0 comments 0 trackback
 そしてすぐに私たちは交渉をもったのです。私は内心の嬉しさを我慢して表には出さないようにしていました。社長の愛人になれればお金には不自由しないと思ったのです。結婚は無理だとしてもマンションの一つぐらいは可能かもしれない。単純な私はそう思ったのです。 また、いやらしい目で彼を見る他の女子社員の鼻を明かしてやったような優越感にさえ浸りました。
 ところが彼はそれから一年もたたないうちに私にプロポーズしてくれたのです。
 天にも昇る心地でした。もちろん彼も私も独身でしたし母はもう涙を流して祝福してくれました。ああ、あこがれの社長夫人にこの私がなれたのです。母からうるさいほどの注意を受けながらも私はうれし涙が止まりませんでした。それは彼が三十五、私が二十二の時でした。そして私たちの結婚生活は順風漫歩に進行していったのです。
 彼は常に忙しい身でしたがそれでも年に何回かは海外旅行に私を連れて行ってくれました。子供は中々できませんでしたが、彼は私にはやさしく、私は幸せの絶頂にいたのです。


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