売られていた地球 前編

Posted by 松長良樹 on 29.2011 0 comments 0 trackback
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 ――この話は、まったくもっておかしな話なのだが、法的にみて問題がないようでもあり、いや、やはり心情的には納得など到底出来そうもないのであるが、大宇宙憲法は存在していたという、驚くに足る厳粛な事実を重く受け取らざるを得ないのだろうか。

 暮れも押し詰まった夕暮れ時に彼らは何の躊躇もなく正々堂々と、連邦議会の上空に現れて拡声器を使ってこう言い放った。
「この星(地球)は我らが買った。だからさっさと出て行け!!」
 最初は道行く人もただきょとんとしているだけで、最近落ち目のTV局がへんなドラマでも撮っているのだろう等と思って悠長に構えていたが、その楽観的な予想は見事に裏切られた。
 彼らは巨大な母船を難なく議会の横の広場に着地させた。彼らとは言わずと知れた地球以外に存在する知的生物であり、宇宙人そのものであった。彼らは細くて軟弱そうな体に異様に光るトカゲのような眼を持っていて、狡猾そうな表情をキリリと引き締めていた。しかしその表情の中にとぼけたひょうきんさも合わせ持っていた。
 やむなく軍が出動する羽目になったのだが、彼らが意外なほど紳士的な態度で終始応じたので、時間はかなりかかったものの大統領との面会の運びとなった。



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