聖獣の系譜 36

Posted by 松長良樹 on 30.2012 0 comments 1 trackback
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 あちこちが欠け落ちた、湿ったビルの階段を下ると坂田は目の前に現れたドアを一回だけノックした。ドアが開き彼は背後を確かめてから部屋に入った。そこで望月は美沙子の香水の匂いと別に、もう一種類の匂いを確実に嗅ぎ分けた。この階段を最近降りたのは美沙子だけではない。絵里加の匂いもまたこの一隅に残っている。あのクラブ・クリスタルで憶え込んだ嗅いだ。彼の脅威の嗅覚はそれを知らしめていた。ここに絵里加がいる。望月は興奮を覚えずにいられなかった。彼の鋼のような肉体が踊るようであった。

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Category : 聖獣の系譜
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