未奇との遭遇

Posted by 松長良樹 on 04.2011 0 comments 0 trackback
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 あるとき宇宙の彼方から電波に乗って宇宙人のメッセージが地球に届いた。
 様々な角度からそれが本物であるか調査されたが、優秀な科学者たちはそれが本物であると太鼓判を押した。
 ついに人類は永年の念願であった地球外知的生命の存在を確認したのだ。

 世界の人々が歓喜した。彼らはもののわかった連中で、文化的で有意義な交流を望むという涙が出るようなメッセージを送ってきたのである。

 無論、警戒を呼びかける有識者もいたが大半の人が彼らは善良な宇宙人だと主張した。
 それから間もなく、彼らから挨拶に伺いますというメッセージが届いたので、世紀の大ニュースとなった。

 失礼があってはならないと地球を代表する各国の首脳が集まった。彼らは正装をして人間の印象を少しでも良くしようと気を遣った。

 万が一に備えて後方には見えないように軍隊が待機していた。

 そして彼らが地球に降り立つと予告した時刻になったのだが、彼らは現れなかった。いくら待っても姿を見せないのだ。
 各国の首脳たちは指定場所のセントラルパークの上空をぽかーんと口をあいていつまでも眺めていた。しかし何者も現れない。
 首脳たちも科学者たちも彼らが嘘をつくような種族ではないと信じていたので、誰もが口をきかず、重苦しい時間が流れた。なにかトラブルでもあったのだろうか……。

 地球の代表者の米国の大統領は痺れをきらせて、部下に彼らと至急連絡を取るように要請した。

 すると少し経ってから、通信士が通信機を持って大統領の前に現れ、血相を変えながらこう言った。
「彼らはとっくに来ているといっています。もう地球上にいるらしいのです」
「ど、どこに居るというのだ!」
 大統領がそういうと通信機から彼らの大きな声が流れた。
「大統領、あなたの肺の中ですよ。われわれはここに降りたつ瞬間に宇宙船ごとあなたの鼻の中に吸い込まれてしまったのです」

 大統領は真っ赤になり、まもなく気絶した……。

                               おしまい。
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