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鏡のケンジ

Posted by 松長良樹 on 03.2011 0 comments 0 trackback
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 小学生のケンジは居間にあった鏡に向かって、大きく手を振った。
 鏡の中のケンジも手を振る。
 今度は鏡に向かってピースサイン、鏡とて同じだ。
 至極あたりまえの話である。

 ケンジはソファに座ったと見せかけていきなり、立ち上がった。
 左を向くフェイントをかけ、右を向く。踊り狂う。床に転がる。飛びはねる。
 しかし何をやっても同じで、何をどうしようがケンジと鏡のケンジとの動きはまったく対称で、狂うことがなかった。
 ケンジは息を弾ませながら「ちぇっ」と一言つぶやいて二階に上がった。
 完全にケンジの姿が鏡から消えると、思わぬことが起こった。

 ――鏡のケンジが疲れた顔をして、
「やってられない」
 と一言つぶやいてソファに座り込んだ。

                      おしまい。
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