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進化したそれ

Posted by 松長良樹 on 20.2011 0 comments 0 trackback
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 動物の進化を加速度的に早める装置を発明した博士がいた。
 その装置は大きな箱型をしていて、最新鋭のCPUの搭載されたス-パーコンピュータから出たチューブがパイプ状に繋がっている。正面にドアがあり、中の様子は透明な覗き窓から見られる仕掛けになっていた。沢山の計器類が側面に付いていて、時間的にどの位進化させるか調整できるようになっている。
 そう、それは一種のタイムマシンのようなもので一目盛りが約一万年とういう単位で生物を進化させるのだ。早速博士がマウスを入れて一万年先に目盛りを合わせると、なんと金髪のマウスが出来上がった。進化したマウスなのだ。マウスは利口で犬並みか、あるいはそれ以上の頭脳を有していた。
 猿で実験すると一万年では殆ど変化がないので、十万年に目盛りを合わせると流暢に人間並みの言葉を使う白い猿が出来た。博士は猿との会話に夢中になって時の経つのも忘れたほどだ。さてこうなると人間での実験が期待された。
 誰もが進化した人間を是非見たいと思ったのだ。しかし、それを政府が許さなかった。人体実験は危険を孕んでいて容認できないと言うのだ。もっともな話である。
 しかし博士はどうしても実験がしたかった。人類の未来の姿をこの目で見たかったのだ。
 博士は秘密で優秀な助手に頼んで人を募集した。被験者には秘密で一千万円を支払うというのだ。
 様々な人間が金に目が眩んで応募してきたが、まず酔っ払いと犯罪者は除外された。
 そして応募者は選考され真面目そうな男子大学生が選ばれた。彼は実験の結果どんな事が起ころうとも意義を唱えないと言う契約書にサインをし、実験に臨んだ。
 博士はまず彼を一万年進化させた。しかし装置から出た彼は、ぽかーんと口をあけただけで何の変化もなかった。そこで博士は一気に猿の例に習って十万年進化させた。
 やはり装置から出た彼に変化の兆候がない。助手達は人間はもうこれ以上進化はしないのかもしれないと思った。今が人間の進化の頂点なのかもしれないと。
 しかし、理想主義者の博士は納得がゆかず、彼をもう一度装置に入れ、一挙に百万年以上の進化を彼に強いた。
 しかしそれでも彼に変化がなかった。博士もさすがに諦め顔で彼を見ていた。これ以上の実験は危険すぎるし、今回はこれで終了となったのだ。
 博士は落胆したが一千万円を彼に支払う事を約束した。彼は喜んで家に帰っていったが妙な事が起こった。その時から彼の足の指の間が痒くなったのだ。我慢できないほど痒いので彼は仕方なく医者に行く羽目になった。
 病院に行くと医師が彼の足の指の間を顕微鏡で覗いて驚愕して言った。
「こ、これは驚いた。なにか非常に小さなミクロ的な生物が沢山いますよ」
「なんですって、なんですかそれは」
「わかりません。とにかく彼らは小さな都市をあなたの足の指の間に築いているのですよ」
「えっ! 都市ですって!?」
 彼は仰天したが精密検査の結果、その生物が水虫のDNAを受け継いでいるのがわかった。これを知った博士と科学者たちがそれを研究しだした。
 そしてそれが水虫の進化した高等生物であることが確かめられた。

 あるとき彼は足の指が燃えるように熱くなったので、堪らず博士のところに駆け込むと博士は異常に目を輝かせてこう言った。
「ついに彼らは核実験を始めましたよ!」

                      おしまい。


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