黄昏の館で

Posted by 松長良樹 on 15.2011 0 comments 0 trackback
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 黄昏の先に大きな見世物小屋があった。随分と恐ろしい感じの洋館風の屋敷だ。そのなかでモンスター達がひそひそ話をしていた。
「やい、金星人。いい隠れ家見つけやがったなあ」
 赤い顔にイボイボのある火星人が言った。
「おう、火星人。ここじゃお前を見たって誰も本物とは思わないものな」
 三角頭の金星人が答えた……。
「しかし、人間どもも、もう少し俺たちを怖がってもいいんじゃないか」
「そうだなあ、試しに子供ひとり食べちゃおうか?」
 金星人がニヤリと笑った。
「ばか! ニュースにでもなったら俺らはここに居られないぞ」
 頭に輪っかのある土星人が答えた。
 そこに客である人間が入ってきた。その人間は火星人を見て
「うあわーっ!!」
 と叫んだ。しかしそれは恐怖の叫びではなく、驚きの叫びであった。
「おまえ、火星人じゃないか! なんでここに居るの?」
「お前こそ誰だ! 人間じゃないな」
 その人間は首を取り外しながら言った。
「俺はエプシロン星人だよ」
「おまえ、うまく化けたな」
 金星人もびっくり。
「我々は人間に化けて大勢で地球に来てるんだ」
「うまいことやってやがる」
 土星人が言った。
 不気味な見世物小屋の看板に『ホラーの館、モンスターハウス』と書いてあった。

                       おしまい。
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