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光線銃

Posted by 松長良樹 on 28.2011 0 comments 0 trackback
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「大統領閣下。私の発明しましたこの光線銃は全く無敵でございます。なにしろこの光線にあたったものは鋼であれ、ダイヤモンドであれ、特殊合金であれ、触れたものの全てを完全に蒸発させてしまうのですから」
 その規律正しい、科学者であり、軍人であり、発明家でもある男は一歩大統領の前に進み出て敬礼した。
「ふむ」
 大統領はちょっと怪訝な表情をしたものの、興味のありそうな瞳の奥の光を完全に消すことはできなかった。
「光線銃とはまた、時代ずれのした過去のSF映画のでてくるあれかね?」
「はいっ」
 あくまで男は規律正しい。
「この光線銃は我が国の国防に多大な貢献をすることは間違いありません。閣下、この武器はまた戦争の被害を最小限に抑えることが出来ましょう。例えば敵の独裁者一人をピンポイントで攻撃でき、しかも狙ったものは必ず仕留めます。完全に抹殺できるのです」
「ほう、それが本当だとしたら凄い」
 大統領は顎を撫でながらそう言った。
「この光線銃の構造は……」
「そんなことはどうでもいいから、実験を見せてほしい」
 大統領は男の言葉を遮ってきっぱりとこう言った。
「はいっ!」
 男は光線銃を鋼鉄製の的に向けて発射した。光線は見事に的に的中して跡形もなく破壊した。が、しかし、その光線は尚も、どこまでも前進し、とうとう地球を一周して、その男の背中めがけて炸裂した。
 しかも、そのまばゆい光線はそれでも消えることもなく、地球の周りにまるで土星の輪のようなリングを形成した。
 もちろん誰もその光に触れられるはずもなく、大統領は深い憂慮の溜息をついてその場からそそくさと退席した。

                        おしまい。
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