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超能力

Posted by 松長良樹 on 19.2011 0 comments 0 trackback
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 亜希子が俺の目をじっと見つめて言った。
「あたし……  隠していてごめんなさい」
 亜希子の奴、いきなり告るのかと思って俺の心臓がドキンとした。なぜって俺は女にもてる性質(たち)だから。
 季節は秋。枯葉の落ちる公園のベンチに俺たちは二人では座っていた。
「……あたしねえ、実は超能力があるの」
 俺は亜希子の真剣な顔が可笑しくて吹き出しそうになるのを懸命に堪えた。
「うそだろ、テレパシーでも使えるのかい?」
 俺はちょっと、ちゃかすようにそう言った。
「いいえ、そういうのじゃないの」
「じゃあ、どういうの」
「あたし心の中で念じたものに相手をなりきらせることができるの」
「どういうの。それ?」
「ある人にあなたは鳥ですって念じたら、その人自分を本物の鳥だと思い込んじゃったの。そしてコオロギを食べたわ。もちろん生きたままでね」
「――ぷっ!」
 俺は堪えきれずに笑ってしまった。
「それで、そいつ空でも飛んだのかよ?」
「いいえ、それが……」
 亜希子が悲しい顔をした。
「その人、空を飛ぼうとして崖から落ちて死んじゃったの」
「まさか……」
 俺は一瞬真面目な顔をした。
「あたしねえ。一度相手をそういうふうにしたらもう元には戻せないの」
「――そうなの」
「だから、それ以来ずっと超能力を封印していたの」
「……」
「でも、あたしの悪い虫がまた騒いじゃって。またやってみたくなったの」
「へえ、それで?」
「相手が人間だと危険でしょ、だから今度は相手を動物にしたの」
「動物ねえ。へえ、で、どうだったの?」
「やっぱり、見事に超能力の効果はあったわ。超能力が効いたのよ」
「……」

「太郎! ごめんなさい。あなた本当は犬なのよ」
「はあ? 何言ってんの、よせよ変な冗談」
「まさか、あたし、自分を本当の人間だと思い込んだあなたが言葉までしゃべるとは思わなかったわ。凄すぎよ」
 俺はなぜかその場から駆け出した。亜希子のやつ悪い冗談もいいかげんにしろ!

 ――あれ? ところで、なぜ俺首輪なんかしてんだろう?

                おしまい。

     * *

  念力(テレキネシス)

 突然ですがあなたは念力って信じますか?
 
 信じようが信じまいが、念力は存在しているのですよ。
 
 というか、今あなたはご自分で念力の実証をしてしまったのですよ。
 
 もっと端的に言いますと、私は今、これをあなたに読んでほしいと

 強く念じました。
 
 そして、ほら、あなたは現にこれを読んでいるじゃありませんか。
 
 ――ね。念力でしょ。


                   end
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