植物の言葉

Posted by 松長良樹 on 13.2011 0 comments 0 trackback
532110_convert_20111213185127.jpg
 
 植物に心があるという長年の研究の成果がついに実を結んだ。野菜にクラシックを聴かせると美味しく育つというのはまんざら嘘ではなかったのだ。
 その研究の第一人者である博士が大学の校庭でその実験を行うと言うから、大勢の人間がそこにつめかけた。なんでも胡瓜の声を聞かせると言うのだ……。
 会場の中央にはステージが用意され、テーブルの上に青々とした胡瓜が鉢ごと置かれていた。胡瓜に電極が取り付けられ、それがコンピュータを通してスピーカーにつながっていた。誰もが胡瓜の心を知りがたり、どんなことを言うのか期待した。
「皆さん、あなた方は初めて植物の声を聞く歴史の生き証人です」
 博士がそういってスイッチを入れた。ありのままをお伝えしよう。
「やい! 人間。よくも僕のパパとママを喰ってくれたな! おぼえてろ。それだけじゃない。親戚の瓜さんや茄子さんまで食べたじゃないか! 僕らは人間に食べられる為に生まれてきたんじゃないぞ。今に見てろ、僕らは進化して動けるようになるからな、そして復讐してやる!! それに……」
 そこで博士は慌てて機械のスイッチを切った。
 このことは公然の秘密である。この実験に立ち会ったものは政府によって固く口止めされている。それも仕方のない事だと思う。だいたい、人間が野菜を食べなくなったら健康によくないではないか……。 
 それに食物が不足するに決まっている。そうでしょ。

                   おしまい。


スポンサーサイト


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kitunosuke8.blog33.fc2.com/tb.php/248-f7be168c
▲ top