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小人のくれた贈り物

Posted by 松長良樹 on 27.2010 0 comments 0 trackback
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 ユウコは鏡を覗き込んで深々と溜め息をつきました。
 最近、めっきり眼の周りの小皺が目立ってきたのです。
 肌だってカサカサになりましたし、艶もないのです。歳のせいだと片付けるのは簡単でしょうが、女心はそう簡単には出来ていないのでした。
 若々しい、瑞々しい肌が恋しいとユウコは思いました。
 ユウコはもうすぐ三十路に差し掛かる女性です。彼氏との結婚だって間近に控えていました。でも肌のことが悩みの種でした。
 ユウコはいつも鏡に向かって呟くのでした。
「鏡の中の妖精さん。どうかあたしを綺麗にしてくださいな。この疲れ果ててしまったあたしの肌を子供のようなつるつるの肌に戻してくださいな」
 ユウコは馬鹿みたいな自分に気付き、又ため息をついてしまいました。
 そして鏡から眼を離そうとすると、そこに可愛い小人が現れました。目が大きくクリクリしていてイタズラ好きの少年のようでした。
「おいら。あいにく妖精じゃないけどさ、あんたの悩み聞いちゃったよ」
 小人がそう言いました。ユウコは顔を赤らめて驚きました。
「あなた。どこから来たの?」
 ユウコがそう聞きました。
「さーてね。どこでもいいじゃない。そんなことより、あんたの肌を若返らせてあげようか?」
「……」
「あんたは毎日のように肌がきれいになりたいって鏡にお願いしてたじゃないか」
「ええ。まあ」
 ユウコが頷くと、小人はローラーにみたいな美容器具をひょいとポケットから取り出しました。ピンク色の可愛いローラーでした。
 最初は警戒していたユウコでしたが、恐る恐るそのローラーを手にしました。
「それを顔に転がしてごらんよ」
 ユウコは言われた通りにしました。
 ――するとどうでしょう。目尻の小皺は瞬く間に消え去り、染み・そばかすは跡形もなくなり、張りのある輝くほどの肌が戻ってきたのでした。奇跡のような出来事でした。
「ありがとう。小人さん!」
 ユウコは嬉しくて大きな声でそう叫んでしまいました。
「あんたにこれをあげるよ。これは若返りのローラーなのさ。あんたの肌は赤ちゃんレベルまで若返ったんだ。でも注意して使いなよ」
「お礼を……」

 ユウコはそう言いかけましたが、小人はウインクをして何処へともなく消え去りました。

 ――やがて美しい肌のユウコは結婚しました。
 新婚初夜です。
 枕元にはあのローラーが置かれてありました。
 暫らくすると花婿が大きな声で叫びました。
「か、かわいいーっ!」
 そしてユウコは花婿の一部分を見ながら悲鳴に似た声を上げました。
「ど、ど、どうしましょう! 大変!」
 ふたりとも半狂乱でした……。

                      おしまい。
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