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聖獣の系譜 5

Posted by 松長良樹 on 30.2012 0 comments 1 trackback
縺・♀・具ス具ス祇convert_20120527105308

「どうぞ、お酒の方がいいのかもしれませんがお帰りはお車でしょうから」
「いや、どうもありがとうございます」
「でもあなたのあの赤い車が急ブレーキで止まった時は驚きましたわ、事故かと思いましたがあたしが絡まれているのが良くわかりましたね」
 女は機嫌がよさそうに微笑んでいた。
「ええ、俺は動くものと美人には目のない方なんです」
「……。ところで深夜のドライブでしたの?」
「俺は東京の夜が好きなんだ。気が向けばあの辺をよくドライブします、こんどご一緒しましょうか…」
「嬉しいです。ご職業をお聞きしてもいいですか」
「俺は、何でも屋ですよ、よろずなんでも引き受ける」
「まあ、ずいぶん怪しいお仕事ですわねえ」
「怪しい? ははっ、確かに。つい最近麻布に事務所を開いたんですが、まだろくに客も来ない。昨日は引っ越しの仕事をしましたし、その前は留守番でした。ろくな仕事はきやしない。本当は探偵事務所でも作りたいのですが、あいにくそれだけの頭脳はない」
 その時不意に後ろの風景画の中を影のようなものが走った。思わず凝視する。
「な、なにかいる……」
 呆然と望月がそう言った。女が驚いて絵の方を振り返った。
「なんですの?」
「あれが、見えないのですか? 恐ろしい顔をした小人がいる、絵の中からこっちを睨んでいる」
 それはうわごとのようで望月の顔は既に真っ青だった。女が静かに立ち上がった。
「どうした、君はいつ裸になんかなったんだ!」
 女はどうしたわけか不敵に微笑んでいる。忌まわしいともいえる不気味な笑い顔だ。小人なんていないし、女は裸になんてなっていない。とすればこれは幻覚に違いなかった。望月の身体が異常に震えていた。コーヒーカップが手から離れ床に落下した。
「うっ、うううううう」
 苦しそうな喘ぎ声がして、望月の顔が既に引きつっていた。
「ははははははーっ! お-っほほほほほほ!!」
 女まで狂ったのか、そうではない。これは計略であろう、恐ろしく手の込んだ策略だ。
「あなたもずいぶん甘いのね、あなたの飲んだコーヒーは幻覚作用のある眠り薬入りなの……。劇薬よ、身体の芯から痺れて堪らないでしょう。その薬はあのアフリカ象だって眠らせるの、ざまあないわね。いい気味よ。望月さん、いやこの黒豹の化け物! 観念しなさいな!!」
 まるで女は豹変した悪魔のようであり、今までが嘘のように瞳に鋭い険があった……。


                             つづく

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Category : 聖獣の系譜


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「どうぞ、お酒の方がいいのかもしれませんがお帰りはお車でしょうから」「いや、どうもありがとうございます」「でもあなたのあの赤い車が急ブレーキで止まった時は驚きましたわ、...
2012.05.30 18:51 まとめwoネタ速neo
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