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聖獣の系譜 8

Posted by 松長良樹 on 02.2012 0 comments 1 trackback
縺・♀・具ス具ス祇convert_20120527105308

 それから二日後の事だ。何でも屋と書かれた安っぽい看板の前に三人の男女がいた。場所は麻布、ビル街から奥まった細い道路沿いに望月の何でも屋はあった。築三十年位経っていそうな五階建ての雑居ビル、その二階のワンフロアに何でも屋はあった、彼らは何回も時計を眺め、不安そうに顔を見合わせ、一階から二階に続く狭い階段を行きつ戻りつしていた。
 大学三年の須藤研一、年金受給者の椎名和夫、短大生の伊藤紀子の三人であった。彼らは何でも屋のバイトであり、今日は清掃の仕事の為に朝八時にやってきたのだった。それに今日は何でも屋の給料日でもあったので、バイト代も貰う気で彼らは来ていたのだ。
「しかしおかしいですね。事務所が開いてないなんて。望月さんがいないなんて今までで初めてですねえ」
 須藤が不信げに言った。
「望月さんの住居はこのビルの四階だから行ってみましょうか」
 伊藤紀子がそういうので三人で四階まで行ってチャイムを押したが応答はなかった。
「しかし信じられないね。現場にいかなかったら顧客をなくしそうだ」
 椎名が腕組みをした。
「こまったわ、今日はバイト代を予定していたの、支払いがあるのよ」
「なんか嫌な予感がします。望月さんは誠実な方ですよ。何かあるなら事前に連絡があるはずです。なにかあったんだきっと」
 須藤が言った。
「うむ。でも仕方がないからしばらく待って来なかったら帰ろう」
 椎名和夫が残念そうに言った。事務所の中の電話が何回か鳴ったが中に入れないので電話に出られない。
「携帯は通じないの?」
 伊藤紀子がきいた。
「もちろん何回も電話しました」
「まさか、夜逃げ?」
 伊藤紀子がすこし笑ってそう言った。心と裏腹な笑いである。
「まさか」
 やがて三十分が過ぎてしまった。
「帰ろう。俺は帰る」
 ちょっと嫌な顔をして椎名和夫が言った。
「そうねえ、でも明日はどうするの? もう一日バイトあるのに。日当一万円は魅力なのになあ」
「困ったなあ、ほんとに」
 須藤研一が何かを考えた様子でこう言った。
「そうだ、望月さんの腕時計にはGPSが付いているんだ。居場所がわかるよ」
「ほんと」
「ああ、望月さんは二週間ぐらい前に自慢げに僕に腕時計を見せてくれた。ネットで場所を探せるんだ。追跡できる。事務所のパソコンでやって見せてくれた」
「でも、おせっかいじゃない?」
「とにかく俺は帰る」
 椎名和夫はそういうと不機嫌そうに帰ってしまった。仕方のない事である。
「僕は一度家に帰ってパソコンで望月さんの居場所を探すよ。なにか悪い予感みたいなものがするんだ。伊藤さん携帯教えといてよ。あとで連絡するから」
「ええ、いいわよ」
 須藤研一は童顔だがかなり頭の良い、感の良い青年であった。彼は望月から専属で事務所に来ないかと誘われていたし、彼もまた望月を信頼していた。

                 つづく
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Category : 聖獣の系譜


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 それから二日後の事だ。何でも屋と書かれた安っぽい看板の前に三人の男女がいた。場所は麻布、ビル街から奥まった細い道路沿いに望月の何でも屋はあった。築三十年位経っていそう...
2012.06.02 18:49 まとめwoネタ速neo
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