聖獣の系譜 11

Posted by 松長良樹 on 05.2012 0 comments 1 trackback
縺・♀・具ス具ス祇convert_20120527105308
 
 「――いいえ、そんな人は来ていません」
「そうですか、実はその人の腕時計に行き先を告げるGPSというものが付いていましてその信号がお宅様から発信されているのですよ、なのでその人を探してこうして伺ったのです」
「まあ、変な事を言うのね。――じゃあその発信機だかなにかがおかしいのではない? ここには一昨日から誰も来ていません。出入りしたのは家政婦ぐらいです」
「それにタイヤの……」
 そこまで言いかけて研一は口を噤んだ。
「そうですか、それは大変失礼しました。きっと何かの間違いだったみたいです。すいませんでした。失礼しました」
「……」
 研一は目で紀子に帰るよと言うように合図をした。紀子が少しがっかりしたような表情をして車に引き返した。しかし二人が車に乗りこんでから思わぬ事を研一が言った。
「怪しいよ、実に妖しい」
「え? どういう事」
「タイヤの跡を目で追ってみたけど屋敷の裏側の方まで続いて見えない。それに人の出入りが全然ないなんておかしいよ、少なくても車が入ったんだから。今の人、嘘をついている。だからあれ以上追及してもむださ。知らないの一点張りに決まっている」
「まさか、なんで?」
「車を近くの駐車場に入れて歩いてもう一度来よう」
「ええっ、やだあたし」
「僕一人でも行ってみる。車があるかどうかだけ確かめるんだ。それ以上深入りはしないよ」
「で、もし車があったらどうするの?」
「その時になって考えるよ。少し待って名案を見つける」
 紀子のピンクの頬が青白くなったような気がした。結局二人は恐る恐るまた館に戻ってきた。時間は午後の三時を回っている。
「もしかしたらこれって事件かも知れないよ」
「やだーっ、怖いよ」

                    つづく
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  「――いいえ、そんな人は来ていません」 「そうですか、実はその人の腕時計に行き先を告げるGPSというものが付いていましてその信号がお宅様から発信されているのですよ、なの
2012.06.08 14:32 まとめwoネタ速neo
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