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聖獣の系譜 14 

Posted by 松長良樹 on 08.2012 0 comments 1 trackback
縺・♀・具ス具ス祇convert_20120527105308

 アスファルトの路面にハイヒールの靴音が響いていた。黒々と聳える摩天楼の谷にピンクのドレスがよく映えていた。田沼美沙子は上機嫌で札束で膨らんだハンドバッグを肩からさげていた。一人である。酒が幾分残っているのか頬に少し赤みがさしていた。その彼女に気づかれないように追ってくる十人ほどの集団があった。身のこなしも様になっているから堅気の物ではあるまい。彼らの懐にはナイフと外国製の銃が潜んでいた。彼女が今夜カジノで大勝をしたのを知っている連中であろうか、それとも目的は別にあるのか、いずれにせよ性質(たち)の良くない連中であろう。
 昼間はあれだけ人のごった返した街角も、深夜ともなればまるでゴーストタウンと変わりがない。十字路の曲がり角を曲がったところで彼らは美沙子の前に突然躍り出た。十人のやくざ者の集団だ。おどろいて美沙子が身構えた。
「ねえさん、あんたずいぶん舐めた真似してくれたねえ」
 リーダー格の男が野太い声を出した。
「あんた達、何者よ!」
「何者でもいいじゃねえか、ねえさんさっきのカードの勝負はとんだイカサマみてえだな」
「へえ、この辺の裏カジノじゃ一々勝った客にいいがかりをつけるのかい!」
「いいがかりじゃねえ、あんたディーラーとグルになっていたらしいなあ、ディーラーの青木をとっちめたらすぐに吐いたぜ」
「あらそうかい、あんた達だってイカサマはお手の物じゃないか、いつもは阿漕な事やってんだろ! 知っているよ」
 気丈な美沙子は恐怖をまるで感じない様子だ。
「なにをーっ! まあその金を置いていけば今度だけは堪忍してやるよ。でないと二目と見られない面になるぜ」
「誰が置いていくものか! あたしをなめんじゃないよ!」
「痛い目見るぜ、その綺麗な顔を傷つけたくはねえんだ」
「このくず野郎! 目障りだから消えちまいな」
「けっ! ねえさん、たいした玉だな。ひとりで俺らを相手にするつもりかい」
 男の目が爬虫類みたいにぎらついていた……。

                   つづく
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Category : 聖獣の系譜


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 アスファルトの路面にハイヒールの靴音が響いていた。黒々と聳える摩天楼の谷にピンクのドレスがよく映えていた。田沼美沙子は上機嫌で札束で膨らんだハンドバッグを肩からさげて...
2012.06.10 00:23 まとめwoネタ速neo
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