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聖獣の系譜 26

Posted by 松長良樹 on 20.2012 0 comments 1 trackback
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 黒豹は猛獣と化していた。その視線には相手を射殺してしまうほどの迫力があった。乱れ飛ぶ銃弾を浴びながらも、熊手のような爪は唸るようにして黒い戦闘員たちを次々に屠った。しかし戦闘員の着用している戦闘服は繊維状の鋼鉄の細いワイヤーが何重にも織り込んである特殊なものだった。そして内部に組み込まれているパワーモーターが人間離れの凄い力を秘めていた。並の人間だったらひとたまりもなくねじ伏せられていたに違いない。戦闘服(パワースーツ)は魔豹の爪をもってしても裂くことはできなかった。
 戦いは熾烈だった、一人に牙を剥けば他の戦闘員が背後から銃剣をもって背を突き刺した。まるで蟻が大きな昆虫に集団で群がるようであった。だが黒豹の強烈な爪は皮を切らずに肉を切った。それは鉄の爪でくり出す強烈なクンフーパンチだ。戦闘員たちは蹴散らされ、なぎ倒され、打撲傷を負い、内出血等を起こして堪らず倒れていった。
 黒豹は無尽蔵のスタミナを誇った。戦闘員がみな倒され、田沼だけがそこに残るはずだった。しか息を切らした黒豹が戦闘に没頭している間に田沼勇二の姿はすでになかった。思わぬ形勢の逆転に戦いを放棄したのか、この基地を見捨てて逃走したのか、いやそれよりここでこのまま戦闘を続けたら誰かが気づいて警察沙汰になるに違いないからだろう。
 黒豹は執拗に彼の行方を捜したがやがて諦め人間の姿を取り戻して研一と紀子の前に現れた。負傷はしていたが目は生気に満ちていた。それを見ていた二人はまるで驚きすぎて言葉が出てこなかったが、しばらくして望月が口を開いた。
「俺はご覧の通りいつだって黒豹に変身できるんだ。おどろいたかい? 俺が怖くなったろう」
「い、いえ、凄すぎてただもう驚きです。でも望月さん、大丈夫ですか肩から血が出てますよ」
 研一が固い声を出したが紀子は意外な程ハイテンションであった。
「病院に行かなくちゃだめよ、でも望月さんナルニア国物語のアスランみたいでかっこいいわ、身体がぞくぞくして痺れてきたもの。望月さんの正体は正義の黒豹か… 素敵じゃない」
 苦笑いの望月。
「これしきの傷なんて大したことなない。それより車のキイは俺が探し出しておいたから大丈夫だ。とにかく警察に連絡だ、この洋館が奴らの基地だとわかったら大変な事件になるぞ。ここから出るぞ、いつ奴らが来るかもわからないからな!」
 いつになく望月の声は力強かった……。

          つづく
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Category : 聖獣の系譜


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 黒豹は猛獣と化していた。その視線には相手を射殺してしまうほどの迫力があった。乱れ飛ぶ銃弾を浴びながらも、熊手のような爪は唸るようにして黒い戦闘員たちを次々に屠った。し...
2012.06.21 08:02 まとめwoネタ速neo
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