スポンサーサイト

Posted by 松長良樹 on --.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

聖獣の系譜 28

Posted by 松長良樹 on 22.2012 0 comments 1 trackback
52rrr_convert_20120615193218.jpg

 あのときビルの屋上で彼を救ったのは美沙子である。彼と美沙子は鳴らない笛(高周波の笛)をお互いに持っていて緊急時にそれを使って連絡しあうのだ。彼は耳で聴き、美沙子は装置を携帯している。美沙子は音の無いヘリコプターを自在に操る。だから誰にもそれとわからなかったのだ。それは組織の秘密兵器でプロペラのない高速ヘリなのだ。この原理は省略するが、このヘリは黒い不気味な怪物でダークムーンの科学力の結晶である。
「俺はもう誰にも束縛も干渉もされたくねえんだ。俺のやりたいようにやる。組織もあんたも兵頭さんも俺には関係ねえんだ」
「関係ない? あんたも黒川に作られたミュータントの一人じゃないか、関係ないなんて言わせない」
 美沙子がここまで語ったところで、怪人の正体を読者に明かそうと思う。どうやら彼自身が自分の秘密を事細かに誰かに語ることもあるまい。彼の名は木村庄司という、あのマッドサイエンティスト黒川の犠牲者なのだ。彼は昔、若くして家族全員を事故で亡くし、それが原因で心の病を患い、あの黒川精神療養院に収容されていた患者の一人なのだ。誰ひとり身寄りのない事を良い事にして黒川は彼までをも人体実験につかったのだ。
 実は黒川はロボトミーの実験からはじまって、様々な改造人間を作り出してきた。初期のころはあの元治みたいな原始的な怪物だったが、聖獣の血を手に入れてからはそれを改良し、動物や人間に突然変異を誘発する新薬の合成にも成功してそれを様々に調合した。もちろん望月もその中の一人であるが、その前にも彼は変異人間を何人も作っていたのである。
 しかしそのほとんどが死んだ。あるものは発狂し、あるものは自殺し、あるものは全身に死斑が突然現れた。奇跡が起こったのは望月とこの木村である。だから木村の身体には望月と同じ聖獣の血が流れているのだ。がしかし、望月の血を仮に正義の血としたなら、木村の血は悪の血である。なぜそうなったのかはわからぬが、もともと変わり者だった木村は歪に変わり果てた。世を呪う悪魔の黒豹こそ今の悍ましい木村の姿なのだ。長い間姿を見せなかったその木村が最近になって田沼たちの目の前に現れた。木村の存在に薄々感づいていた兵頭は、彼を配下に召し抱え、ダークム-ンの手先につかっていたのだ。

                    つづく
スポンサーサイト
Category : 聖獣の系譜


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kitunosuke8.blog33.fc2.com/tb.php/294-5fc2986d
 あのときビルの屋上で彼を救ったのは美沙子である。彼と美沙子は鳴らない笛(高周波の笛)をお互いに持っていて緊急時にそれを使って連絡しあうのだ。彼は耳で聴き、美沙子は装置...
2012.06.22 22:45 まとめwoネタ速neo
▲ top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。