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聖獣の系譜 35

Posted by 松長良樹 on 29.2012 0 comments 1 trackback
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 ここのところ毎日、新聞に目を通すのが望月の日課であったが、今朝の新聞の三面記事に、昨日中野駅付近で黒い大きな怪鳥を見たと言うサラリーマンの記事が不意に脳裏をかすめたのだ。新聞の解説によれば、おおかたカラスか何かを酒に酔った男が見間違えて大騒ぎをしたのだろうと面白おかしく書かれてあったのだが、それが何となく気になったのだ。なぜなら屋上に消えた絵里加は、まるで空から来た何かに運び去られたようであったからだ。まるで怪鳥にでもさらわれたようであったからだ……。
 望月は中野通りをとぼとぼと歩いていた。収穫なしだ。しかたなく麻布に向けて踵を返すと、はたと望月の動きが止まった。そこに匂いがあった。そしてその匂いが望月の脚を止めたのだ。以前に嗅いだ事のある香水のにおい。望月は神経を集中させた、そして思い当たった。これはノアビルのまえで嗅いだことのある香水、かなりきつい香水だ。
 この香水は田沼美沙子が身に纏っていたあの香りに間違いなかった。むろん常人には到底嗅ぎ分けられるはずもない。望月の超臭覚がその匂いを感知したのだ。彼はその香りを追った。すると道は見る見る細く、うらぶれた感じの繁華街をとおり、死んだような雑居ビルに行き当たった。それはあの廃墟みたいなダークムーンのアジトであった。
 そこで望月は近くに人の気配を感じてとっさに黒猫に変身し、物陰に隠れた。その男は帽子を深くかぶり、薄手のコートを着込んでいた。周りを何回も見まわしてから、男はそのビルの裏階段から地下に降りて行った。それが望月にはあのチンピラの一人、坂田だと直ぐにわかった。やっぱり、絵里加の誘拐は奴らの仕業だったのかと望月は感づいた。黒猫は相手に悟られないように、うまく後をつけていきやがて暗闇に消えた……。

                        つづく
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Category : 聖獣の系譜


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 ここのところ毎日、新聞に目を通すのが望月の日課であったが、今朝の新聞の三面記事に、昨日中野駅付近で黒い大きな怪鳥を見たと言うサラリーマンの記事が不意に脳裏をかすめたの...
2012.07.01 10:23 まとめwoネタ速neo
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