聖獣の系譜 37

Posted by 松長良樹 on 01.2012 0 comments 1 trackback
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 しばらくお互いがにらみ合うようにしてじっと相手の目を見た。恐ろしい程の気迫と殺気が火花を散らせる。
「望月、ここからは簡単には逃がさないぞ」
「あいにく俺はお前の意向などにかまう男じゃないし、この女を心配している人がいるから素直にここから帰しちゃくれないか」
 望月の落ち着いた言葉の中に無類の闘志が凝縮されていた。
「なあ、俺たちはどういう巡りあわせか敵同士の星の下に生まれついた。どうだ今ここで決着をつけちまおうじゃないか」
「――いいだろう、お前がその気なら俺はいつでも相手になるぞ」
「いい度胸だ。だがその前に、ふふっ、決闘の前に悲しい話をきかせてあげようか」
 勇二の口調が急に人をからかうような調子を帯びていた。
「……」
「あの、以前おまえを探しに来た若い二人だが、今頃はもう……」
 望月の血相が瞬間に変わった。表情がこわばって固まった。あっ、という表情だ。
「あの二人をどうした!」
「昼間、お前がご苦労様に東京の街をほっつき歩いていたころだ。一台の警察の車が伊藤紀子の家の前で止まって乗っていた警官が彼女の家のドアをノックした。そして五分もしないうちに彼女を乗せ走り出した。そのままその車は須藤研一の家にも行った。好都合に研一もいて同じようにその車に同乗した。そのはずだ。車には警官と刑事が乗っていた。そしてこんな具合に説明したんだ。
『実はあなたたちを例の洋館に監禁した犯人らしい男が捕まったのです。御足労ですが署までご同行していただきたいのです。そしてその男がその犯人かどうか確かめていただきたいのです。心配はいりません。マジックミラーが部屋の壁に仕掛けてあって犯人からは貴方たちの顔は見えないようになっています。あとから望月さんにも来ていただく事になっているのです。ぜひ犯人の特定にご協力いただきたいのです』

                つづく
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 しばらくお互いがにらみ合うようにしてじっと相手の目を見た。恐ろしい程の気迫と殺気が火花を散らせる。 「望月、ここからは簡単には逃がさないぞ」 「あいにく俺はお前の意向な
2012.07.01 10:23 まとめwoネタ速neo
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