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聖獣の系譜 44

Posted by 松長良樹 on 08.2012 0 comments 1 trackback
縺・♀・具ス具ス祇convert_20120527105308

 望月が目を開けるとなんと怪人は黒い服の裾を風になびかせながら、大きな岩のような石碑に軽々と乗っていたのだ。なんというバランス感覚であろうか、彼は片足で石碑に乗り、例によって人を喰ったように笑っているのだ。
「今日はおまえの命日だ!」
 怪人はそう言ったか思うと、ふっと闇に紛れるように消えた。望月は瞬時に黒豹に変身していた。生身でいたら危険ありと本能が知らせたのだ。お互いの力が拮抗していたら、ちょっとした隙や、油断は直ぐに勝敗をわける大きなポイントとなる。そして相手もまた変身しているのに違いないのだ。望月があたりに神経を集中させると、ざわざわと頭上で黒い梢が音をたてていた。上空に風がある。聞こえるのは波の音で、それ以外に音はない。潮の香ばかりで敵の臭いがない。相手がつかめない不安が胸に湧き上がると同時に望月が走った。身を低く保って黒豹は疾駆した。
 しなやかな黒い毛並みが鏡のように月光を反射して青白く輝いた。耳をそばだてるが足音がしない。相手は恐ろしく速い奴か、さもなければ姿を消せるのだ――。
 走った。いつの間にか全速力で黒豹が走った。しかし後方に気配がある。確かに気配がある。それは背後にぴったりとついてきている。相手を振り切るのは不可能であった。
 その時、海岸にある外灯の明りが微かに揺らいだ。その途端に刃物のような爪が望月の身体に唸った。最初の一撃を望月は間一髪で交わした、しかし二回目のそれをかわしきれなかった。狙い澄ましたような一撃が望月の背中を襲った。血の混じった黒い毛が、バサッと切れて空中に吹き飛んだ。まるで悪魔の大釜で切り裂かれるようであった。
 間髪入れずに望月は身を反転させて牙を剥いたが、まったく相手には届かなかった。宙を踊って望月の身体が地面に転がった。途端に痛みが望月の身体を突き抜けた。その瞬間に望月の背後から牙が閃いて、悪寒を覚えるぐらいのサーベルの牙が横腹に突き刺さったのだ。望月は激痛をかみ殺し、呻き声を呑み込んだ。
 望月の動きが止まった。その場に蹲るようであった。
「ははははははっ!! どうした望月、まるで形無しじゃねえか! どうやら勝負は決まったようだな。俺にはお前も歯が立たねえんだ。速さが違うんだな。俺にはお前が見えるが、お前からは俺の動きは見えねえ。聖獣の血を引くのは俺だけで十分だ。継承者は二人はいらねえ。死ぬんだな望月、兵頭なんて糞だ! そして俺がナンバーワンになるんだ!!」

                 つづく
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Category : 聖獣の系譜


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 望月が目を開けるとなんと怪人は黒い服の裾を風になびかせながら、大きな岩のような石碑に軽々と乗っていたのだ。なんというバランス感覚であろうか、彼は片足で石碑に乗り、例に...
2012.07.08 15:14 まとめwoネタ速neo
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