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兵器

Posted by 松長良樹 on 21.2012 0 comments 0 trackback
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「大統領閣下。自分の発明しましたこの光線銃は全く無敵でございます。なにしろこの光線にあたったものは鋼であれ、ダイヤモンドであれ、超合金であれ、触れたものの全てを完全に蒸発させてしまうのですから」
 その規律正しい、科学者であり、軍人であり、発明家でもある若い男は一歩大統領の前にでて敬礼した。場所は広大な砂漠である。軍のトラックとジープが数台並んでいる。

「ふむ」
 大統領はちょっと怪訝な表情をしたものの、興味のありそうな瞳の奥の光を完全に消すことはできなかった。もしかしたら大統領は戦争好きなのかもしれない。
「光線銃とはまた過去のSF映画にでてくるあれかね?」
「はいっ」
 あくまで男はうやうやしく規律正しい。
「この光線銃は我が国の国防に多大な貢献をすることは間違いありません。閣下、この武器はまた戦争の被害を最小限に抑えることが出来ましょう。例えば敵の独裁者一人をピンポイントで攻撃でき、しかも狙ったものは必ず仕留めます。完全に抹殺できるのです」
「ほう、それが本当だとしたら凄い」
 大統領は顎を撫でながらそう言った。
「この光線銃の構造は……」
「構造なんぞはどうでもいいから、実験を見せてほしい。私は実践主義なのだ」
 大統領は男の言葉を遮ってきっぱりとこう言った。
「はいっ!」
 男は敬礼して光線銃を鋼鉄製の的に向けて発射した。光線は見事に的を跡形もなく破壊した。物凄い威力だ。が、しかし、その光線は尚も、どこまでも限りなく前進し、とうとう地球を一周して、その男の背中めがけてバシッ!っと炸裂した。
 大統領は幾分悲しそうな表情をしたものの、忙しそうに顔をしかめてそそくさとジープに乗り込んで砂漠から消えて行った……。                      


                          おしまい
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