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男女の仲

Posted by 松長良樹 on 20.2012 0 comments 0 trackback
 ユウイチがためらいがちに言った。
「カナエ。最近、僕を避けてないか?」
「……そんな」
「だって、なかなか会ってもくれないじゃないか」
 カナエが俯いて言った。
「最近、ユウイチが変わったから……。 以前のユウイチのほうがあたしは好き」
「前の僕は無口でろくにしゃべらなかったし、暗かったのに?」
「でもあたし、そんなユウイチが好きだったの」
「……」
「今のユウイチは前向きだし、おしゃべりで明る過ぎるのよ」
「楽しい男のほうが好きじゃないの?」
「あたし、根暗で陰のある男に惹かれるタイプなの」
「以前の僕は受験に失敗し、親にも死なれて落ち込んでいたんだ」
「でも、そんなユウイチが好きだったの。守ってあげたかったのよ」
「えっ? あの頃の無気力な僕が好きだったの? 今は立派に職についてがんばってるというのに」
「がんばってる人って好きじゃないの。悩んで落ち込んでないとだめなの」
「……そ、そんなのってむりだよ」
「じゃ、終りね」
 ユウイチの表情が変わった。
「君がそんな男が好きだったなんて知らなかった。僕はそんな男に戻る気はないし、あきれたよ、君なんかこっちのほうからもらい下げだ。さ・よ・な・ら」
 ユウイチが立ち去ろうとするところに後ろからカナエが叫んだ。
「でも、あたし女をふる男は大好きなの!!」
「――そんなこと言われたって、そんなこと……」
 間が少し空いてユウイチが言った。
「やっぱり僕はカナエが好きだ!!」
「そういう風にすぐ女を許す男はあたし大嫌いなの!」
「……そうなの」

              おしまい
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