呆れるべき真相 Ⅱ

Posted by 松長良樹 on 02.2013 0 comments 0 trackback
「ああ、またか!!」
 痛々しい慟哭。それは老博士の悲痛な叫びであった。郊外にある古びた研究室から毎夜博士の絶望的な叫び声がする。
 またまた事件か。早速、ホームズ気取りの探偵が真相の究明に乗り出したが、探偵はただ苦笑いをするしかなかったようだ。現場に行くとあちこちにダイヤモンドが無造作に転がっていたと言う。
――助手の証言はこうだ。

「いやね、探偵さん。博士は今、錬金術の研究に没頭しているのですよ。ですが出来てくるのがダイヤばかりで、金がどうしても出来ないのです。だから博士は悔しがっているのです。尋常じゃありませんよ」
「ああ、またダイヤか!! だめだ。だめだ。失敗だ!!」
 泣き喚く博士に助手は言う。
「博士、あなたはもう大金持ちなんだから、いい加減に錬金術に見切りを付けたらどうでしょうか。ねえ博士」
「いや、やだ。わしはどうしても金をつくりたいんじゃ!!」

 ボコッ! 探偵と助手が見守る中、今度はプラチナが出来た。

                  おしまい
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