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ラーメン奇談

Posted by 松長良樹 on 31.2013 0 comments 0 trackback
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 大池正也は場末の屋台でラーメンを食べようと割り箸を割った。
 ここは東京池袋、言わずと知れたラーメンの激戦区。うまいラーメン屋がしのぎを削る地域だ。うまいラーメンを並んで食べるのにはきょうの大池正也は疲れ果てていた。日夜残業続き(遊びも含めて)で、可愛い女の子と屋台のラーメンをすするのも悪くないと思い、ここのラーメンは隠れたる極旨ラーメンだと、うまく女の子を信用させ、この屋台にやってきたのだった。そこで正也は摩訶不思議な体験をするのだが、その体験は超常現象なのか、或いはまったくの錯覚なのか、未だに正也自身にもよくわからないままだ。
 正也と女の子は屋台に据え付けられた粗末な椅子に座り、ラーメンを注文した。そしてそのあっさり醤油ラーメンの、あまりにも当たり前の味に安心して「うまいね」と言った。
 女の子もそれに倣うようにして「おいしい」と言った。
 その直後、正也が麺を食べ終え、シナチクをかじった時にそれは起こった。なんとほとんど食べてしまった麺が復活していたのだ。女の子はその光景を物も言わず、横目で眺めて不思議な笑い方をした。その意味深な笑いは常識はずれの麺に対しての笑いではなく、その時の正也のいとも不思議そうな表情に反応したのだろう。
「ねえ、麺入れた?」正也が反射的に屋台の親父にそう訊くと「はあ?」というほとんど否定に近い返事が返ってきた。正也は腑に落ちなかったが、そのラーメンを無言ですすった。女の子はただニタニタしていた。

  *   *

 ちょうどそのころブラジルの(ブラジルでは午前中であるが)南東部にある日本料理店で観光客の一人、中年の婦人が店にクレームをつけていた。その内容を明かすと注文したラーメンに箸を付けようとした途端に、麺が消えたというばかばかしいクレームだった。むろん店側は彼女をまともに相手にせず、頭のおかしい日本人が来たと後で悪口を言った。




                     おしまい?
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