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ありがとう神様

Posted by 松長良樹 on 31.2013 0 comments 0 trackback
PIC1-20130730203536.jpg

 あるとき何の前触れもなく、北海道ほどもある巨大隕石が地球に降ってきた。アブラハムの宗教におけるハルマゲドンであろうか。やはり最終戦争という意味の予言が的中したのか人類は絶滅した。残念な事だが自然の驚異の前に人類はあまりにも非力であった。黒雲が延々と大気に棚引き、有毒ガスが見る間に地表を覆ってしまうと、陽光は遮断され極寒地獄が続き、人類だけでなく、ほとんどの生命は死に絶えてしまった。
 その劣悪な環境はなんと三百年以上も続いたが、やがて落ち着き、雲の合間からやわらかい光が差し込んできた。そして荒れ果てた地面に小さな一輪の花が咲いた。輝かしい生命の復活である。
 それを待ち望んでいるものがいた。残念なことにそれは地球上の生命ではなかった。その機を待ち望んでいたのは狡猾な宇宙人だった。彼らは人類がいたときから、虎視眈々と地球を狙っていたのだ。
 銀河の彼方から彼らは地球を覗いては『いい星だねえ』とよだれを垂らして地球を欲しがっていた。しかし戦争を仕掛けるにも、力がほとんど同じぐらいなので長年躊躇していた。それが天変地異によって人類が絶滅したと知ると、彼らは大船団を連ねて地球にやってきた。濡れ手に粟とはこの事だと思ったに違いなかった。
 偵察隊が数名降りて地上の様子をみる。すでに沢山の植物達の芽は地中から伸びていた。新鮮な大気と豊かな自然がそこに復活しようとしていた。
「ふふふふふっ、この星は我らのものだ!!」
 彼らが宇宙語で奇声を発したその時だ。まったく彼らの予想に反することが起こった。宇宙人に恐れもなく話しかける者がいたのだ。
「あなたたち誰なのですか? 見慣れないお方ですが」
 宇宙人が驚いて声の方を注視すると、神々しい程に古代的な人物の姿があった。なんとそこにいたのは二人の男女で仲睦まじく寄り添っていた。
 宇宙人は驚いて反射的に殺人光線を二人に目掛けて発射した。しかし二人は笑っていた。倒れないし、なんともないのだ。
「おやっ、いきなりなにをするのですか? 君たちは地球の者ではないな。好戦的だし」
 男の方がそういい、女の方は柔和に頷いている。
「きさまら、人類の生き残りだな。しかし良く生き残ったものだ、お前達は科学者なんだな。シェルターにでも退避していたのか」
 しかし二人はまるで的外れという顔をしてこう言った。
「私たちは神様です。名をイザナギノミコト、イザナミノミコトといいます」
「かみさま? それはなんだ、人類の新種か?」
 訳の分からない宇宙人たちは、もちろん彼ら二人を排除しようとした。しかし彼らのすべての武器は全く役に立たず、恐れ慄いた宇宙人たちは、『人類、恐るべし』というセリフを残して、くやしそうに宇宙に消えて行ったのであった。
「さあ、また最初から始めましょうかイザナミノミコト」
 イザナギノミコトがそういうとイザナミノミコトがほほ笑んだ。
 その後の話は、古事記と酷似している。彼ら夫婦は愛し合い島々を産み落とすのである。その島々こそ日本列島である。そしてそこに生まれたのは我ら日本人である。

 ありがとうございます。イザナギノミコト、そしてイザナミノミコト。
 ――ありがとう神様。
 
                   了
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