新説 蜘蛛の糸

Posted by 松長良樹 on 05.2010 1 comments 0 trackback
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 あるとき、お釈迦様は極楽の蓮池の周りをぶらぶら歩いておられました。するとその隙間から地獄で苦しむにカンダタという悪人の姿を御見留めになりました。
 お釈迦様がなんとなく釣りの感覚で蜘蛛の糸をそこから垂らすしますと、カンダタは血の池から逃れる為、その糸をつかみ、登り始めました。
 しかし、カンダタが下を見るとどうでしょう、数多くの罪人達が我も助かろうと後に付いて登ってくるではありませんか。

 驚いたカンダタは血相をかえ、大声で怒鳴りました。
「こら、罪人ども、来るな! 糸が切れるぞ! この糸は俺様のものだ」
 そのとたん糸は切れ、カンダタ諸共、みんな地獄の血の池に落ちて行きました……。
 その様子を遥か、天上界の天照大神が見ておられました。そして極楽界のお釈迦様のもとにやって来て言いました。
「わざと切りましたね、この薄らばか。自分の事しか考えない罪人達に糸を投げればどうなるか、おまえには、わからないのですか。このサディスト。修行が足りません」
 天照大神はそう言うと、お釈迦様の胸ぐらを、むんずとつかむと、そのまま地獄に突き落としてしまいました。 血の池にはまり込んだお釈迦様は悲嘆にくれました。そして反省しました。
「わるうございました、天照大神様、私がわるうございました……。お、お助けください。どうかお助けください」

   *  *
 
 それからかなり永い月日が流れたある日の事です、事もあろうに天上から蜘蛛の糸が下がってきたのです。
 以前の一件があったので、お釈迦様はこれは悪しき者の行為だと思い、力任せにその糸を引き寄せました。
 するとどうでしょう、天照大神が天上界から糸を持ったまま落ちてきたのです。そして照れ笑いをして言いました。
「お釈迦さん。やっぱり蜘蛛の糸って一度は垂らしてみたくなるものね……」


                               おしまい。

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蜘蛛の糸を読んでからというもの、なかなか蜘蛛を殺せなくなった小心者のボク。
でもその前に腕力ないから、糸なんて登れねえ~(笑)
2010.11.05 22:39 | URL | ヴァッキーノ #- [edit]


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