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へんな誘拐

Posted by 松長良樹 on 30.2013 0 comments 0 trackback
名称未設定-1[1]

 相田氏の家の電話がけたたましく鳴った。
 でっぷりとしたお腹と、白髪交じりの相田氏。彼が不承不承に電話に出れば、受話器のむこうの誰かが衝撃的なことを言う。
「相田さん。あんたの可愛い小学生のお嬢ちゃんは、下校途中この俺がうまくだまして誘拐した」
 絶句する相田氏。
「えっ!! な、なんですって!!」
「まあ、そう、あわてるな。命をとろうなんて言わないから。ただし、金を用意しろ一千万、キャッシュだ。察に知らせれば、もちろんお嬢ちゃんの命はない」

 顔が苦痛に歪み、悶絶する相田氏。
「わ、わかった。あの子に指一本触れるなよ。約束できるか」
「ああ、約束する。俺には元々人殺しの趣味なんてないからな」
「わかった。あんたを信じよう。だが、金は直ぐには出来んぞ。工面しなければならん」
「ああ、少しばかり猶予をやるよ」
「それで……」
 そこまで言いかけた時、玄関ドアが開いて女の子が元気に帰宅した。
「ただいまー! ラン、ラン、ラン♪」
 訳のわからない相田氏。目をしばたたかせて彼女を抱きしめた。
「どうした?」
「どうもこうもないよ、いま娘が帰ってきた」
「な、なんだと!!??」

 暫らく続く沈黙。そして……。

「あんた、相田だよね。五丁目の相田だよね?」
「ああ、だがこの辺には相田と言う家が五軒もあるが」
「四つ角にある資産家の相田だよね」
「いいえ、私の家は角から三軒目の相田さんと五軒目の相田さんの間にある貧乏人の相田だが」

 電話が切れた。

                                おしまい

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