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奇跡の救助

Posted by 松長良樹 on 08.2010 0 comments 0 trackback
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 ある時、思いも及ばない事が起こった。遥かな宇宙の彼方から宇宙船が飛来して街の公園に墜落したのだ。あまりにおおっぴらな事件過ぎて国もそれを隠蔽できなかった。人類はこれまで熱心に努力を重ね、地球外生命体とのコンタクトを再三試みていたのに、それはあまりに簡単な遭遇であり、拍子抜けするような出来事であった。
 すぐさま特ダネ情報をキャッチした優秀な科学チームが現場の調査にあたったが、残念な事に宇宙船は酷く破損していて、宇宙人と思われる生命体の身体は、ばらばらに分断されていたのだ。宇宙人とのファーストコンタクトは、悲しいことに無残な肉片との対面になってしまったのだ。 
 しかし優秀な彼らチームはいつまでもただ残念がってはいなかった。
 生物学の権威であり、優秀な外科医でもあったチーム代表のS博士は、宇宙人の身体の細胞は今だに死んでいない事を確かめ、最新鋭の医療技術によってその身体の復元を試みたのである。もちろん世界の神の手を持つという外科医達が多数動員されたのは言うに及ばない。
 根気強い復元は行われた。途方もないパズルを組むようであった。それには長い時間が惜しげもなく費やされ、ついに奇跡は起こった。その生命体、宇宙人はその身体を取り戻し、呼吸を再開したのだ。
 チーム全体が歓喜に沸き立った。まさに彼らは偉業を成し遂げたのである。
 しかし、なぜか宇宙人は常に苦しそうで起き上がることさえ出来なかった。臨床の期間は驚くほど長期にわたり、医者達さえ生きた心地がしない期間が長く続いた。やはり宇宙人を完全に再生することは出来ないのだろうか…。
 医者達が諦めかけた、ちょうどその時だ。彼らと同種と思われる宇宙生命体の船が地球に突如着陸した。そして仲間の安否を気遣うように、それの居る科学基地にやってきたのだ。
 地球の科学者及び医者達はその時の恐ろしさを言葉には出来なかったろう。身の毛も弥立つとはまさに彼らの体験を言うに違いない。
 彼らはベッドに寝ている仲間の姿を見て気がふれたようにこう叫んだのだ。
「ああ、何と言う事だ。彼の首が逆に付いてるぞ!!」
 宇宙人の脳天についた口が大きく開かれていた……。

                       おしまい。
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