助かりますか?

Posted by 松長良樹 on 02.2015 0 comments 0 trackback
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「黄連先生! この先の僕の運命を教えてください!」
 その男は悲痛な表情を浮かべて占い師ににじり寄った。男は体のバランス、そして心のバランスを崩している。
「僕は助かるのでしょうか?」
「うーん。わかりません」
 深刻な顔で占い師が答えた。その額に大粒の汗が光っている。
「わかりませんって無責任じゃありませんか! 先を見通すのが貴方の仕事なのではないですか?」
 男は占い師の答えに納得がいかないらしく、不満そうな顔で覗き込んだ。
「そう言われても、私にも正直わからないんです」
「わからないとは酷いもんだ。それでよく占い師がつとまりますねえ」
 占い師の表情が険しくなり、イラついた口調でこう怒鳴った。
「墜落しそうな旅客機の乗客の運命なんて、私にもわかりませんよ!!」
「ああ神様!!」
 目前にコンクリートのような海面が迫っていた。

                                         end
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