宇宙珍事件スペシャル 1

Posted by 松長良樹 on 05.2016 0 comments 0 trackback
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★1

「お助けに来ましたーーーっ!!」
 その宇宙船の大きさは島ぐらいあった。
 ともかく超ド級の宇宙船がある日地球の上空にやって来て、大音量のスピーカーらしきものからそのメッセージが流れた。
 人々は訳も分からず天を見上げた。最初、警察が出たがそのあとに自衛隊が出た。
「さぞ、苦労したでしょうね、お助けに参りましたーーーっ!!」
 人々が不安な面持ちで事態を見守る中、最初に空中に吸い上げられたのはマンホールの中に隠れていたらしい宇宙人だった。その容姿からまさに宇宙人だった。
 なんとマンホールに隠れていたらしい。それも一人二人ではなかった。あちこちのマンホールから一斉に姿を現したのだ。
 しかし驚きはまだ序の口で、他からも、人が隠れうるありとあらゆるところから、宇宙人が出現した。
 例を挙げるなら、衣装ケース、洋服箪笥、箪笥の引き出し、机のなか、冷蔵庫の中、ゴミ箱、仏壇の中、シューズボックス、押し入れ、額縁の裏、まったく想像もつかないところに宇宙人が隠れていた。そしてそれが宙に舞い上がり、宇宙船に吸い込まれた。わなわなと震えながら呆然とする人たち。
 そういう事態が世界規模でおこった。あっという間に数時間が経過し、空に舞い上がる宇宙人がいなくなったと同時に宇宙船が猛スピードで去った。
 なにか見てはいけないものを見てしまった人々。 ――喪失感だけが残る。
 小生意気な子供がこう言った。
「なんかおかしくなくない? っつうか、これ、やばくない? 誘拐っつうか、集団拉致でしょ、もしかして、これって。だって宇宙人って、誰か宇宙人のマスクしてたし、でしょ。やばくない? これって!」

end
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