スポンサーサイト

Posted by 松長良樹 on --.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

へんな長寿

Posted by 松長良樹 on 29.2010 2 comments 0 trackback
52139777_convert_20101129215419.jpg

「私は長年、不老不死の探求をしてまいりましたが、この度ついにそれに近いものを完成いたしました」
 博士が意気揚々とそう言った。
「それに近いと言いますと、どういうことでしょう博士?」
 研究発表の会場に詰めかけた大勢の記者の一人が質問した。
「私は不老とはいかないまでも、人間の寿命を著しく長くする薬を作りあげました」
「長寿ということですか」
「そうです。みなさんは哺乳類の寿命を決定しているものはなんだかご存じですか」
「染色体上のテロメアが関係していると聞きましたが……」
 にわか仕込みの知識で報道記者が答えた。
「そうです。細胞分裂時に短くなる染色体上のテロメアと呼ばれる配列があり、動物体細胞ではそれを延長できず、その為に寿命が尽きてしまう。私は最初このテロメアに細工しようと懸命に研究しましたが、どうしてもそのようなことは不可能でした。そして発想を転換したのです」
「どんなふうにです?」
「私は心臓の鼓動に目をつけたのです」
「鼓動ですか?」
「ええ、そうです鼓動です。哺乳類の寿命は鼓動のスピードと密接な関係があるのです。たとえばネズミの鼓動はとても速い。反対に像の鼓動はとても遅い。両者の寿命を比べてみてください。ネズミは約三年、そして像は約八十年。鼓動の遅いものほど長寿だ。単純明瞭なる事実です」
「……それで?」
「私は鼓動を抑え、人間の寿命を二百歳にまで延長する薬を発明しました。この薬を服用した人間は百歳でも、五十代の若さを維持できます」
「それは凄い薬ですねえ」
「はい。この薬はこれから先、長い年月を必要とする宇宙探検に役立つでしょう。場合によっては人間の寿命を五百歳にまで引き延ばせる」
「それはたまげました」
「今日は、親愛なる私の助手に実際にこの薬を飲んでもらいましたので、皆さんにご紹介致しましょう」
 
 さっきから博士の横にいた若い助手がゆっくりと頭を下げ挨拶をした。
「みーーーーーーーーーーなーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーーん。わーーーーーーーーーたーーーーーーーーーし………………」
 ――日が暮れた。

                    おしまい。
スポンサーサイト

オチが決まりましたねえ。
どうなるんだろう?と思ってましたが、
これじゃあ、意味ないですもんね(笑)
いやはや、考えてみたら深い話です。
2010.11.30 20:01 | URL | ヴァッキーノ #- [edit]
ヴァッキーノ さん。コメントありがとうございます。

クリスマス企画やっとできたのでアップしました。
お誘いありがとうございました!
2010.11.30 22:30 | URL | 松長良樹 #- [edit]


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kitunosuke8.blog33.fc2.com/tb.php/60-fe2d48b8
▲ top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。