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奥義

Posted by 松長良樹 on 05.2010 2 comments 0 trackback
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 ――悩み事は重大だった。こんな依頼が舞い込んでくるなんて予想もしなかった。
 彼の名はイムラン・プラカーシュ。米在住のインドの占い師である。このところ彼の占いは神がかり的に的中し、各界の著名人に絶賛されていた。イムランの占いは西洋の占星術をベースにしていたが、その命式の算出方法は極めて高度で、厳密で、歴然たる学問体系を形作っていた。彼は学者でもあったのだ。
 しかもイムランには霊感があり、知識と霊力の融合こそ、彼の魅力であった。神秘的だったので女性にも絶大な人気があった。
 だが、俗にいう占い料は到底庶民には手の届かない額であったので、おのずと客は富豪の奥方連が多かった。なんと今回は某国の大統領が相談を持ちかけてきたのである。
 彼の噂を聞いての事であろうが、大統領もよくよく悩んでいたのだろう。相談内容はこうである。
 ――ある国家の独裁者が我慢ならん事ばかりしでかすので、正義を掲げて武力で制圧してしまいたいのだが、世論が怖いし、戦争をしてもいいものかどうか、判断に苦しんでいる。どうすべきか?―― というのだ。
 もちろん彼は占星術の技巧の全てを使ってそれを占ったのだが、メリットとリスクが半々でどうにも判断に困ってしまった。身が委縮して霊感さえ思うようには働かなかったのだ。まさか大統領に判りかねますとは、言えるわけもない。とにかく事は国家間の問題で、イムランの答え一つで歴史さえ変えかねないのだ。
 何度占っても結果は同じであった。イムランは食欲もなくなり、やつれていった。そんな彼を心配して、彼の弟子の一人であるスラーンがある提案をした。
「神秘の国、日本に仙人という優れた占い師がおります。この際、その仙人に相談してみてはいかがでしょう」
 そうスラーンが助言したのだ。
 暫らく考え抜いたイムランであったが、仕方なくその提案を飲んだのである。国際電話でようやく仙人を捕まえたイムランは事の事情を丁寧に話した。すると仙人は快くある方法を伝授してくれたのである。
 それはイムランにとって実に興味深い神秘的は方法であった。彼は占いの奥義をそこに見たのだ。
「ゲタ」というものを履き、それを宙に投げて……。

 かくして世界の運命は国際便で送られてきた一足の下駄に託されたのである……。

                 おしまい。

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なかなか、この下駄ってアイテムは思いつきませんぜ~。
じつは、ボクは普段は下駄を履いてるんですよ。
冬は、寒いので靴ですけど。
買い物とかそういうとき。
だけど、それがあまりにも日常化してて、下駄の存在を忘れてました!
そうか、下駄っすか。
2010.12.08 19:40 | URL | ヴァッキーノ #UXr/yv2Y [edit]
ヴァッキーノさん、コメントありがとう。
広瀬正というSF作家がいて宇宙人がゲタを見つけて
なにかなあと悩む話があります。それがヒントでした。
2010.12.08 21:53 | URL | 松長良樹 #- [edit]


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