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一寸の狂怖笑(いっすんのきょうふショー) 3

Posted by 松長良樹 on 10.2010 0 comments 0 trackback
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 第三話 「聞くだけで話せる」

 友好的?な話である。
 あるとき宇宙人がついに地球にやってきた。人類が待ちに待った瞬間である。えらい騒ぎになり、プレミアム元年という暦まで出来上がった。
 彼らは友好的で知性的で親切な種族であった。文明も進んでいて人類に有益な知識を惜しげもなく供給してくれた。
 しかし、一つ困ったのは言葉が通じないのである。彼らは流暢に母星語「クールル」
をしゃべるのだが、この言葉が難解で人類は閉口した。
 一部の優秀な人間達が「クールル」をマスターすると、途端に英雄になったようにもてはやされた。
 そして親切な彼らは、聞くだけで「クールル」を話せるというCDをプレゼントしてくれた。もちろん無償でである。注意事項はただ「勉強しないで下さい」だった。
 そのCDを使い若いゴルファーが「クールル」をマスターすると、我も我もということになり、やがて全世界の人々が「クールル」を話せるようになった。
 世界共通語は英語から「クールル」に変わったのだ。
 しかし、思っても見ないことが起こった。人間は元々しゃべっていた言葉を忘れてしまったのだ。

 あるとき宇宙首脳会議が開かれたとき、彼らはニコニコして人間にこう訊いた。
「ねえ、地球を我々にくれないかな?」
 人間はこれまた笑いながら
「どうぞ、どうぞ」
 と答えた。

 ――もう一つ大事な話がある。CDには恐るべき洗脳波が仕組まれていたのだ。

               おしまい。

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