一寸の狂怖笑(いっすんのきょうふショー) 4

Posted by 松長良樹 on 11.2010 0 comments 0 trackback
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 第四話

 登山の好きな青年の話である。

 青年が大荒れの天候の為、山の中で見つけた洞窟に入ると、なんとそこに人間が住んでいた形跡があった。
 寝床があり、なぜかテレビがそこに置かれてあったのだ。

 灯をともし、しばらくそこに居るとテレビが話しかけてきた。
「やあ、こんにちは。僕テレビ君って言うんだ」
 青年は驚き、テレビの電源が入ったのかと思ったがそうではなく、テレビが人格をもって話しかけてきたのだ。
 怖くなって逃げようとしたが、テレビが少年のような声で
「怖がらないで、僕はさみしんだ。行かないで」
 そう言うので暫らくテレビと会話する羽目になった。
 テレビは物知りで青年を飽きさせなかったし、世界各国のニュースをリアルタイムで映してくれた。

 それから随分と時間が経って、青年が帰らないので、救助隊がその洞窟を訪れると古びたテレビがあり、いきなり電源が入った。
 救助隊の眼は画面にくぎ付けになってしまった。
 なんとそこには青年が洞窟に入ってくる一部始終が克明に記憶されていたのだ。
 
 青年はいつの間にかテレビの中にいて、テレビと熱心に語らっていた……。
                              
                          おしまい。

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