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青い瞳のエミーナ 5

Posted by 松長良樹 on 26.2010 0 comments 0 trackback
 高林はネットショップで女性ものの下着を買った。それとブラウスやセーター、スカートも買った。裸のままじゃいられない。いや、いさせられない。
 好奇心旺盛な眼でエミーナはそれらを見て、手に取り上手に着こなした。何を着てもそれなりに似合ってしまった。大きめサイズの服はエミーナをより可愛く見せた。
 高林の言う事になんでも素直に従ってしまう。言葉は通じているようだったが、質問をする事が殆どなかった。
 ある時高林が帰宅するとエミーナの姿が見えなかった。初めてのことだった。高林はおお慌ててで家中を探したがいなかった。
 途方に暮れもう二度と戻らないかと覚悟をした時、エミーナは買い物袋をぶら下げて帰ってきた。
 微笑みながら今夜の夕飯の材料だと言う。高林は思わずエミーナを抱きしめた。この時自分にとってエミーナは掛け替えの無いものだと知った。
 料理の仕方をエミーナはテレビでみて憶えていた。エミーナなスポンジのような脳になんでも吸収した。高林の趣味趣向を敏感にかぎ分け、おいしい料理を作って高林の帰宅を待っていた。
 忠犬のような忠実さがエミーナにあった。高林にしてみればその忠実ぶりは腑に落ちないのだがどうする事も出来なかった。
 日々が流れていった。高林の心に何か後ろめたさがあった。罪悪感でこっそりと横腹に短刀を突きつけられたような心持ちがした。見も知らない従順な娘と同居している。
 高林は毎日のようにエミーナを抱いた。身も心も天国に昇天するようであった。
 天使のような笑顔に、娼婦のような技巧とを併せ持っていた。
 友達が遊びに来たときは慌てた。酒を持って学生仲間が「飲もうや」といってドアをたたいた時、慌てて外の居酒屋に行き先を変えさせた。
 みんな不服な顔をしたが、高林が奢るといったのでみんな付いてきた。金回りがいいとみんなが言ったが、預金は底をついていた。
 アパートに誰も上げなかった。マージャンは仲間の家でやった。高林はついにだれにもエミーナの事を話さなかった。
 しかし一ヶ月が過ぎると、エミーナを軟禁でもしているようで気がとがめた。
 外はまだ寒かったが、高林はエミーナに訊いてみる。
「きょうは君と外で食事をしよう。君が来てから君と一度も外に行かない」
「はい」
 従順にエミーナがそう答えた。空に満天の星空が煌いていた。その星の光に照らされてエミーナの青い瞳がキラリと光った……。

                                つづく
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