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青い瞳のエミーナ 11

Posted by 松長良樹 on 01.2011 0 comments 0 trackback
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「とにかく掛けてくれ。落ち着かない」
 仕方なく高林が椅子に掛けた。西条という男はまるでダリのような鋭い眼をしていた。日本人離れのした顔だ。
「単刀直入に言う。あの娘は暗殺者だ」
「彼女が暗殺者……。そんなばかな。それで、あなたはいったい誰なんです?」
「私は組織の人間だ。我が組織はCIAから分離した最右翼の集団だ。神の名に於いてこの穢れた世界を浄化することが我らの使命なのだ」
 まったくピンと来ない話だった。高林はぽかんとしていた。
「右翼の組織」
「そうだ」
「やめてください。そんな話。あのこが暗殺者だなんて、あの娘はやさしい素直な娘なんですよ。きっと虫一匹殺せませんよ」
 高林が真剣な顔で答えた。
「高林君。あのこが首につけているチョーカーだが、あれがなんだかわかるかね」
 西条が張りのある声を出した。
「単なる飾りでしょう。ファッションだ」
「あのチョーカーについているルビーは爆弾だ。凄まじい殺傷能力を持っている。超小型の兵器だとも言える」
「えっ。爆弾」
 あっけにと取られたような表情を高林がした。
「そうだとも、エミーナは暗殺者だ。ある人間を暗殺する為につくられた。つくられたと言ってもエミーナはロボットじゃない。あのこは他国の娘じゃ、そして娘は洗脳してある。但し脳は赤ん坊並みだ。いや赤ん坊のように白紙だという事じゃ。機能は成人女性となんら変わらない」
「冗談にも程があります。作り話ならもう少しましな話は出来ないのですか」
 高林が怪訝な顔をした。男は高林の反応などお構いなしと言った調子で話しを続けた。
「エミーナは深い眠りに付いていた。そして眠りから醒めたとき、最初に出会った人間を自分の主人だと思い込む。そういうふうにプログラムされてあった。鳥類の刷り込みの様なものじゃ」
「……」
 高林の顔色が曇った。
「何の為にそんな」
「計画ではある人間にあのこを差し向けてもろとも爆破する予定だった」
「酷い計画ですねえ」
「法で裁けない悪がこの世に存在している」
「何の話ですか」
「暗殺するのは性質の良くない危ない男だ。やくざ物じゃよ。」
「さあ。僕にはさっぱり分かりませんよ」
「そいつは総理を強請るほどの力がある。危険人物じゃ。だから暗殺する」
 男は表情一つ変えずに平然と言い放った。
「今までは君には関係のない話だった。今までは」
「今まではって、これからも関係ないですよ」
「いいか高林君。大事な話の要点を言うからよーく聞いてくれ。最初の計画ではエミーナはその男と爆死するはずだったが、エミーナは自我を持ち始めてしまった。洗脳も弱まってしまっている。手違いで君を主人だと思い込むようになってしまったんだよ。だからエミーナはもう使えない。またもう一人のエミーナを作り出すだけの時間も無い。だから君に奴を暗殺してもらう」
 低く力のこもった声だった。悪寒がするような冷酷な声だ。
「なにをばかな。ばかげていますよ」
「協力しなればエミーナを君の目の前で殺す」
「もともと殺す予定じゃないですか」
「エミーナだけじゃないぞ。勿論君にも死んでもらう」
「……」
 高林は血の気の失せた顔をして西条の眼を覗き込んでいた……。

                                つづく



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